グループホームと老人ホーム
2021年01月19日
コラム記事
はじめに
ご家族の介護をしていて、介護施設を頼ろうと思ったとき、様々な選択肢があります。グループホームと老人ホームどちらに入ればいいの?グループホームと老人ホームは何が違うの?と疑問に思うかもしれません。
そんな方のために今回はグループホームと老人ホームの違いや、老人ホームとは何かについて書いていきたいと思います。
グループホームと老人ホームの違い
グループホーム
グループホームは認知症の高齢者を対象とし、認知症の専門知識を持つスタッフによる支援を受けながら少人数で共同生活を送ることで認知症のケアをする施設です。介護保険制度の「地域密着型サービス」の一環なので、現在住民票のある市区町村以外のグループホームには入居できません。
長期入院や集団生活が難しくなった場合には退居することになります。
グループホームではユニットと呼ばれる生活単位で共同生活を送ります。1ユニットは5名~9名で、最大3ユニットが暮らします。
このように小規模な施設なので、入居までに数カ月待機しなければならないことが多いです。
詳しく知りたい方はこちらをご覧ください:グループホーム
老人ホーム
老人ホームは高齢者全般を対象とした介護施設で、自立の方から要介護の方まで幅広い層の高齢者を受け入れています。
施設によって入居条件が異なり、「入居時自立」「自立~要介護5」「要支援1~要介護5」など決められています。
小規模でアットホームなところからホテルのような雰囲気のところまで様々です。定員数も数名のところから100名以上のところまで幅があります。
グループホームと同様に長期入院や集団生活が難しくなった場合は退居することになります。
老人ホームの種類
一言で老人ホームと言っても公的な施設から民間の施設まで様々です。公的な施設と民間施設に分けて簡単にご説明します。
公的施設
公的な老人ホームは以下の5種類です。国や地方自治体、社会福祉法人が運営しており、国が補助金を出して設立されているため入居費用や月額費用が低価格であることが特徴です。そのため人気も高く、入居までに長い期間が必要になります。
○特別養護老人ホーム
要介護度の高い高齢者が入居できる介護施設です。原則として終身にわたって介護を受けることができます。低価格で利用できるため人気が高く、入居までに数カ月から数年必要になります。
○養護老人ホーム
経済的に困窮し、自力では生活できない高齢者が自治体の調査で入居する必要ありと判定された場合に入居できます。介護施設ではないため基本的に介護サービスは受けられません。社会復帰を促す目的があるので、長期利用はできません。
○介護老人保健施設
長期入院していた方が在宅復帰するためのリハビリを目的とした施設です。入所期間の目安は3カ月で、長期間の利用はできません。
○介護医療院
医師や看護師が常駐する介護施設で、医療的ケアと介護サービスを両方受けられます。長期療養にも対応しており、看取り介護も行っています。居室は相部屋であることが多いです。
○ケアハウス
自宅で暮らすことが難しくなった60歳以上の方が入居し、生活支援サービスを受けながら暮らす施設です。「自立型」と「介護型」があり、介護型では介護サービスを受けることができます。
民間施設
民間の企業が運営しています。外食産業や建設業、警備会社が母体の老人ホームもあり、豊富なサービスで各施設ごとに差別化を図っています。
グループホームもここに含まれます。
○介護付き有料老人ホーム
65歳以上の高齢者が対象で、「自立型」「介護専用型」「混合型」の3種類に分けられます。種類ごとに入居条件が違い、「自立型」は入居時点で要介護認定のない自立の方、「介護専用型」は要介護1以上の方、「混合型」は要介護認定ではない方も入居できます。介護のサポートやサービスが充実しており、看護師や准看護師の配置が義務になっています。
○住宅型有料老人ホーム
60歳以上の高齢者が対象ですが、施設によっては60歳未満も受け入れています。入居条件は施設によって異なり、自立していることが入居条件の施設から要介護度の高い方を受け入れる施設まで様々です。入居時は元気だったけれど入居中に要介護度が高くなった場合、施設によっては退居することになる場合があるため注意が必要です。介護サービスは入居者が個別に外部サービスや施設に併設されたサービスを利用する形になります。
○健康型有料老人ホーム
介護の必要がなく、自立して生活が送れる60歳以上の高齢者を対象としています。入居中に介護が必要になったら退居することになります。食事や生活支援の他、趣味の活動や行事などが充実しており元気な高齢者が楽しく暮らせるようになっています。
○サービスつき高齢者向け住宅
厳密には老人ホームではありませんが「高齢者住まい法」という法律のもとに高齢者が安全に暮らせるよう整備されたバリアフリー構造の高齢者住宅です。介護の必要がない元気な高齢者を対象としており、主なサービスは安否確認と生活相談です。
一部には厚生労働省により「特定施設」として指定されている施設もあり、ここでは介護が必要になったらスタッフから介護サービスを受けることができます。
まとめ
老人ホームにはいろいろな種類があり、提供するサービスや入居条件も種類ごと施設ごとで異なってきます。
入居する方の健康状態やどのような目的で入るかなど状況をよく見極めて決めた方がいいでしょう。