グループホームを利用するには
2020年06月30日
コラム記事
はじめに
障がいを持つ方を支援するサービスは多様です。
その中のひとつでもある障害者グループホームでは、障がい者が自立した地域生活を送れるように、本人の「できること」を尊重しながら、状況や環境に合わせたさまざまな支援を行っています。
これから障害者グループホームを利用したいと考えている方々などの参考になればと思います。
利用できる人
障害者総合支援法が定義する「障がい者」に該当する人です。特に、知的障がいの方や精神障がいの方の利用が多いとされています。
「身体障がい者」の場合は65歳未満の人、または65歳に達する前日までに障害福祉サービスやこれに準ずるサービスを利用したことがある人に限られます。
・利用者例
住み慣れた地域で暮らしたいが、一人暮らしに不安があるため、支援を受けながら暮らしたい人
一定の介護を必要とするものの、施設ではなく地域の中で暮らしたい人
就労している人、または就労を目指している人
今まで親と暮らしていたが、将来は自立を目指している人
施設や病院から、地域での暮らしに移行したい人
利用するまでの流れ
(障害者手帳が交付されていることが入居条件になります。事前に障害者手帳の申請を行いましょう。障害者手帳が交付されることで、様々な支援や、費用の援助を受けることができます)
1.入居するグループホームを決める
市区町村の障害保健福祉窓口や、障害福祉サービスの相談支援事業所などに問い合わせ、入居できそうなグループホームを探します。
グループホームの空き状況を自治体が公開している場合もあります。
入居可能な定員数に応じて、男性のみ、女性のみと入居対象者を定めているグループホームもあります。
事前に電話でグループホームに問い合わせて、見学や体験をしてみることをお勧めします。
2.障害福祉サービスの支給申請を行う
グループホームを利用するには、市区町村による障害支援区分の判定と、障害福祉サービスの給付決定が必要です。
「サービス等利用計画」作成のためのアセスメントや施設の利用契約などの準備のために、入居まで1~2カ月程度かかることもあります。
3.契約と入居
グループホームと契約を結び、入居日までに必要書類、生活備品類を用意してから入居します。
費用のどの部分を実費で支払うのかという点は各グループホームで違うところがありますので、よく確認しましょう。
(ただし1と2の順番が逆の場合もあり)
利用時に用意するもの
(例)
• 障害福祉サービス受給者証
• 精神障害者手帳の写し(初回、変更時)
• 内服中の処方箋の写し(内服薬・外用薬・点眼薬など全ての薬)
• 健康保険証の写し(夜間診察受付票)
• 衣類(普段着・下着・靴下・パジャマ・靴など)
• 洗面用具(歯ブラシ・コップ・櫛)
• バスタオル
• スリッパ
• 防炎カーテン
• カーペットを敷く場合は防炎のもの
• 寝具(布団またはベッド等)
• 洗濯物入れのビニール袋等日用品
• その他
利用できるサービス
食事の提供
日中は就労していたり他の福祉サービスを利用していたり人それぞれですので各自で用意していただきますが、朝食と夕食はグループホームで提供します。入居者全員で食事をとることでコミュニケーションも生まれ、和気あいあいと過ごすことができます。グループホームによっては当番制にして利用者が料理を作ることもあります。
日常生活の援助
障がいの程度によっては日常的に介助を必要とする方もいます。服の着替えや階段の上り下りなど、日常に必要な動作の援助をします。
他にも健康的な生活を送るためのアドバイスや、適切な金銭管理の方法といった生活に必要なアドバイスもします。
自分でできることを増やして自立へのステップアップとしていただくために、食事の準備・掃除・洗濯など、できる範囲の家事をサポートしていきます。
季節に合わせたイベント
入居者全員が楽しめるように、お花見やピクニック、クリスマス会など季節に合わせたイベントを企画しています。
こうしたイベントで入居者同士コミュニケーションをとったり、季節を感じていただくことができます。
まとめ
障がい者の人たちだけではなく、現在、障がい者支援をしている、または支援を考えている人たちにとっても、より良い支援や援助ができるように考えられていると言っていいでしょう。
またあらかじめの下調べは重要かもしれません。
グループホームを利用するにあたって、見学や体験などを検討してみると良いかと思います。