グランエミシス

エミシスだより

グループホームってどんなところ?

2021年05月21日

コラム記事

はじめに

聞いたことはあるけれど、家族や自分が関わるまではあまり接点がないであろう場所、グループホーム。
グループホームとはどんな場所でどんなサービスを提供しているのかご説明します。

グループホームとは

福祉サービスの1つ。地域密着型サービスのことで、高齢者や障害者、親と一緒に暮らせない子供など、生活に困難を抱える方を対象としています。専門の職員等の援助を受けながら、一般の住宅に近い環境で少人数による共同生活をする社会的介護・養護の形態のことです。
このサービスでは、孤立の防止や生活への不安の軽減、身体・精神状態の安定などの効果が期待されています。

グループホームは「施設」というより「住居」というほうが適切です。地域のアパート、マンション、一戸建て等、普通の家で生活する場です。

グループホームの歴史

グループホームは精神病患者向けにイギリスで提唱されたのが始まりです。

規模や様式なども様々な形態のものが存在し、18世紀のイギリスなどではホームステイやアパート形式から、100床以上の病床のものまで見受けられ、発展過程における建設体系や試行錯誤の痕跡が伺えます。

認知症高齢者を対象としたものは、1980年代にスウェーデンで認知症緩和ケアのバルブロ・ベック=フリース博士が民家を借りて、寝たきり状態ではない認知症高齢者と共同生活を始めたことが起源とされています。

日本のグループホームもスウェーデンにならって導入されました。

3種類のグループホーム

グループホームの中には、高齢者のグループホーム(認知症対応型共同生活介護)と障がい者グループホーム(共同生活援助)、どちらも一緒に暮らす共生型グループホームがあります。

 

高齢者のグループホーム(認知症対応型共同生活介護)

軽度の認知症の高齢者が対象の介護施設で、正式名称は「認知症対応型共同生活介護」です。1ユニットにつき5~9人と小規模なグループで共同生活を送り、職員の援助を受けながら、入居者同士で助け合いながら生活することで、認知症の症状を改善することを目的としています。
グループホームは介護保険で定められた「地域密着型サービス」に含まれる介護施設なので、利用者はこれまで暮らしてきた土地から離れる必要はありません。
少人数制のアットホームな環境で、のびのびと生活することができます。

 

障がい者のグループホーム(共同生活援助)

障がい者用のグループホームを利用できるのは、障がいのある方(身体障害のある方は、65歳未満の方または65歳に達する日の前日までに障害福祉サービスもしくはこれに準ずるものを利用したことがある方)です。
現在の障害者自立支援法では、知的障害の方と精神障害の方が利用できることになっていますが、グループホームによっては障がいの特性を考慮し「知的障害のみ」もしくは「精神障害のみ」利用可としている所もあります。事前に確認することをお勧めします。

一人暮らしに近い生活ができるサテライト型住居という形態もあります。
他の利用者との食事や交流といったコミュニケーションをとることができる本部のグループホームがあることが前提となり、サテライト型住居のみではグループホームとして成立しません。
サテライト型住居は期限が3年と決められており、永続的に利用することはできません。
サテライト型住居へ入居して3年が経ったら一般の住居へ移行できるように、入居時から自立に向けたサポートを行います。

 

共生型グループホーム

共生型グループホームは、高齢になっても、障害を持っていても、入居者が自分らしく暮らすことのできる住居です。
入居者ごとに年齢や障害の程度が違い、得意・不得意も違います。共同生活を送るなかで、各人の得意なところを活かし、役割を持って、助け合いながら生活できます。

 

障がい者グループホームの中の3つの種類

障がいのある方が利用できるグループホームの種類として、介護サービス包括型・外部サービス利用型・日中活動サービス支援型の3種類が存在します。

3つの違いは下記の通りです。

 

▽介護サービス包括型

主に夜間や休日において介護が必要な人のためのグループホームです。生活支援員・世話人が食事や入浴・排せつなどの介護サービスを提供します。

当該事業所のスタッフがサービスに従事し、利用者の状態に応じて介護スタッフ(生活支援員)を配置しています。

 

▽外部サービス利用型

主に夜間や休日に相談や家事といった日常生活上の援助を提供します。入浴などの介護は事業所が委託契約を結んだ外部の居宅介護事業者が担当します。

 

▽日中活動サービス支援型

主な対象者は重度化や高齢化のため日中活動サービス等を利用できない障がい者の方です。

24時間の支援体制もしくは短期入所施設の併設によって、日常生活の支援や相談、介護など幅広いサービスを提供します。

共同生活居住ごとに昼夜を通じて1人以上の世話人、または生活支援員を配置することが定められています。

グループホームの良い所・悪い所

▽障がい者グループホーム

アットホームで共に生活する人たちとコミュニケーションをとることができ、自分らしい生活をおくることができます。
必要なサポートを受けながら自立を目指す自主性を育むことができます。

その反面、医療ケアに特化していないことや、保険制度が適用されないなどのデメリットもあります。
障がいの特性や性格によっては馴染めないこともあります。

▽高齢者のグループホーム

少人数で専門スタッフの支援を受けながら生活することで、認知症の進行を抑える効果が期待できます。
その人のできることを活かしながら、その人らしさを失うことなく生活できます。

ただし、少人数であるために、もし相性の悪い入居者の方がいた場合は苦労することになります。
定員が少ないためすぐに入居することは難しいです。

まとめ

ここではグループホームがどんなところなのか説明しました。
グループホームとは福祉施設よりも“家”のような感じだと思って頂けると容易に想像がつくかもしれません。
大規模な施設ではないので、地域に密着した生活ができますよ。