グランエミシス

エミシスだより

グループホームの注意点

2020年08月07日

コラム記事

はじめに

障害者グループホームは小規模なので、一緒に共同生活する人や支援ヘルパーの方とも近しい人間関係になれる一般住居です。
自分の家のような雰囲気の中で過ごすことができるなどメリットもたくさんありますが、注意しなければならないこともあります。

利用者側と施設運営者側になって注意点を押さえていきましょう。

 

利用者側の注意点

 

見学や体験入居は極めて大切です。
契約前に見学をしてグループホームでの日常生活を知ることで、グループホームの暮らしを事前に把握することができるので、不安を和らげるためにも見学はしたほうがよいでしょう。

体験入居は、契約内容の理解のみならず、ホーム職員、共同入居者との相性など、グループホームで暮らすにあたって重要なことがわかるきっかけにもなります。

 

1、入居条件がある

グループホームに入るには条件があります。障害者総合支援法が定義する「障がい者」に該当する人です。
知的障がいの人や精神障がいのある人の利用が多いとされています。
「身体障がい者」の場合は65歳未満の人、または65歳に達する前日までに障がい福祉サービスやこれに準ずるサービスを利用したことがある人に限られます。

また、障がいの程度によっては入居できない場合があります。複数の障がいを抱えている人や、さまざまな障がいを持った人同士が入居するグループホームもありますが、どちらにしても支援やサポートを行えば一人で生活することができ、地域内で共同生活を送ることができる方が対象となっています。
ですから、支援する内容が多くなり一人で生活をすることができない等、障がいの程度によってはグループホームの入居ができない場合があります。

 

2、保険適用制度について

グループホームは保険が適用されないため、入居費用の負担が大きくなります。

 

3、サービス利用料

グループホームは障害者総合支援法が定めるサービス利用料が必要となります。
利用料はグループホームの入居者数などにより異なります。

 

4、利用開始までに時間がかかる場合がある

グループホームを利用するためには、事前に市区町村による障がい支援区分の判定と、サービス利用にかかる給付決定が必要です。「サービス等利用計画」作成のためのアセスメントや施設の利用契約などを行うため、利用開始まで1~2カ月程度かかることもあります。

 

運営側の注意点

 

 

1、従業員の雇用に苦労する

  • グループホームは365日運営の事業であるため、勤務の基本は泊まり勤務となり従業員の募集や継続雇用に苦労する。
  • 人員配置基準があるので、基準上の配置義務がある。
  • 人がいないからと言って、ホームを空で運営することができない。(社長さんが泊まり勤務を行い、穴埋めしている事業所も珍しくありません)
  • 住居追加を行っている場合、研修により成長させたいが、勤務時間やホームの仕事が忙しく難しい。
  • 日中型と違い、勤務時間の制約を受けやすい。

 

2、運営基準(実地指導での指摘事項)

  • 通常業務が忙しいなかでも書類をしっかり記載する必要がある。
  • 人員配置基準を守る必要があります。

 

3、利用者の行動

利用者の行動により、管理体制が問われることがあります。

 

4、行方不明となることがある

事業所で探しに行き、見つからなければ警察へ捜索願を出しに行く必要があります。

 

5、暴力行為(利用者の機嫌が不穏な場合に注意する)

  • 他利用者への暴力
  • 従業員への暴力
  • 通行人など第三者への暴力

 

6、騒音や行為

利用者が出す声・音などで近所と関係が悪くなる。

 

7、その他

  • 従業員の虐待行為
  • 物、お金が無くなる(窃盗)

お金にまつわる注意事項がほかのサービスと異なり多くなります。
利用者のお金を管理する従業員を限定し、帳簿をしっかりつくり内部規定をつくることが必要になります。

グループホームを運営するにあたっての注意点

  • 住宅地又は住宅地と同程度に利用者の家族や地域住民との交流の機会が確保される地域にあり、かつ、入所施設又は病院の敷地外にあること。
  • 指定事業所は、1以上の共同生活住居を持つこと。
  • 一戸建て、マンション(ワンルームも可)などで、自己所有・賃貸とも可能です。
  • 一戸建ては用途変更なしでも200㎡未満で可能(要確認)。
  • 住宅街は建築協定の要確認。
  • 建築基準法についても要確認。

グループホームを建設する際の注意点

施設によっては住民の反対もあります。

身体障がい者施設や知的障がい者施設など、一部福祉施設の場合、住民の反対
運動が起こる場合があります。

例えば保育園でも「子供の声がうるさい」「送迎のマイカーが邪魔」「交通事故の
危険性が高まる」といった理由で一部の住民から反対運動が起こり、開園を断念
している事例も少なくありません。

したがって住民の理解が得られるかどうかは、福祉施設建設が可能かどうかの大きな
ポイントになってきます。

反対運動が起こりやすい施設ほどその地域に障がい者グループホームが足りていないケースも多く、だからこそ、住民への根回しと意見の聞き取りに十分な時間を取り、地元の要望を反映した施設を建設していくという姿勢が重要になります。

 

まとめ

今回は利用者側、施設運営者側で注意点をまとめてみました。
恐らくこれを調べる方は利用者側の注意点が気になる場合が多いかと思います。

そこで体験や見学をしてそのグループホームの特色を掴むというのはいかがでしょうか?
その際、説明を受け、グループホームの体制などについて聞いてみても良いかと思います。
ぜひ利用される方は自分の過ごしやすいグループホームを探してみましょう。