グランエミシス

エミシスだより

身体障害とグループホーム

2021年03月05日

コラム記事

はじめに

今回は、身体障がい者の方がグループホームに入れるのかなどを調べてみました。

 

身体障がいとは

四肢(両手両足)に不自由があったり、視覚や聴覚に制限があったりするなど、身体機能になんらかの障がいがある状態のことです。

身体障害者福祉法は、身体障がい者を「身体上の障がいがある18歳以上の人で、身体障がい者手帳の交付を受けた人」と定義しています。

▼視覚障がい
視力や視野など、ものを見る働きである「視機能」が十分でないために、まったく見えなかったり、見えにくかったりする状態のことです。

▼聴覚または平衡機能の障がい
聴覚障がいとは、身の回りの音や話し言葉が聞こえにくい状態のことです。
平衡機能障がいとは、耳や脳の機能の障がいにより、姿勢を調整する機能である「平衡機能」がうまく働かず、起立や歩行に不自由がある状態です。

▼音声機能、言語機能またはそしゃく機能の障がい
発音にかかわる器官である口腔や鼻腔などの「構音器官」などの障がいにより、音声による意思疎通が難しい状態のことです。
そしゃく機能障がいとは、食べ物をかみ砕いて飲み込む「そしゃく・嚥下(えんげ)機能」の低下により、食事の内容や方法に著しい制限があるなどの状態です。

▼肢体不自由
四肢や体幹(胴体の部分)に障がいがあり、日常生活での動作に困難がある状態です。

片方の腕や手、足に障がいがあったり、切断されていたりする場合や、左半身または右半身に障がいや麻痺がある場合、全身の動作に不自由がある場合など、体の一部に障がいがある場合から全身に不自由がある場合まで、状態はさまざまです。

▼内部障がい
体の内部の臓器に障がいがある状態です。身体障害者福祉法は以下の7つの障がいを内部障がいと定めています。

・心臓機能障がい
・腎臓機能障がい
・呼吸器機能障がい
・ぼうこう・直腸機能障がい
・小腸機能障がい
・ヒト免疫不全ウィルス(HIV)による免疫機能障がい
・肝臓機能障がい

他にも身体障がいに該当する難病や高次脳機能障害もあり、定義はさまざまです。

身体障がい者手帳

▼基になる法律
身体障害者福祉法

▼対象の疾患
視覚・聴覚・平衡機能・音声・言語・そしゃく、肢体(上肢、下肢、体幹)不自由、心臓、腎臓、呼吸器、ぼうこうまたは直腸、小腸、免疫(ヒト免疫不全)、肝臓

▼取得条件
疾病によって障がいが永続し、生活動作が不自由であること

就学や就労を含む日常生活の場で、身体障がいのある人の支援や、自立の目的で交付されます。
障がいは1級から7級の等級に分類されています。
等級は1級に近づくほど障がいの程度が重く、7級に近づくほど障がいの程度が軽くなっていきます。身体障がい者手帳は6級以上の障がいに対して交付されます。

7級の障がいは単独では身体障がい者手帳の交付対象にはなりません。
ただし7級の障がいが2つ以上ある場合や、7級の障がいと6級以上の障がいが重複して存在する場合は交付対象となります。

 

 

グループホームとは

障がいのある人が地域の中で、家庭的な雰囲気のもとで共同生活を行う住まいの場です。
一軒家や民間の賃貸マンション、公営住宅などさまざまな形態の住居があります。

主に夜間、入浴・排泄・食事の支援や相談、日常生活上の必要な援助等を提供します。

医療ケアには特化していないため、医療ケアを必要とせず支援やサポートを受けながらも、自分のことは自分で行い生活を送れることを条件にしている障がい者グループホームが多くあります。
ですから、医療ケアを受けなければならない場合には、一般的な知的障がいや身体障がい、精神障がいのグループホームを利用することはできません。

しかし、現在は障がい者グループホームの形態も多様化しているので、重度心身障がい者の方も利用することができる障がい者グループホームも少数ですが設置されています。
(日中活動サービス支援型グループホームが登場してからは重度心身障がい者の方も利用することが可能になりました)

しかし、まだまだ数は少なく医療ケアを行わなければならない方の利用は制限されているのが現状です。

グループホームに入れる対象者

「身体障がい者」の場合は65歳未満の人、または65歳に達する前日までに障がい福祉サービスやこれに準ずるサービスを利用したことがある人に限られます。

支援する内容がかなり多くなり一人で生活をすることが出来ないなどの、障がいの程度によっては障がい者グループホームには入居できない場合もあります。

知的障がいと精神障がいや身体障がいの方というように2つの障がいを抱えている方や、異なる障がいの方同士の障がい者グループホームもありますが、どちらにしても支援やサポートを行えば一人で生活を送ることができ、地域内で共同生活を送ることができる方になっています。

グループホームに入るには

入居するためには障がい者手帳の取得をしておきましょう。
障がい者グループホームは障がい者手帳が交付されていることが入居条件になります。

障がい者グループホームでは、その人にとってどのような支援やサポートが必要なのかといった支援計画を行うためにも、障がい者手帳や障害支援区分を参考にしていきます。
入居を考えている場合であれば先に障がい者手帳や障がい支援区分を自治体へ申請しておきましょう。

まとめ

医療ケアを必要としない程度の障がいの方には、グループホームは生活手段の一つとして有効だと思います。
グループホームを利用する際は、障がいの度合いに応じて暮らしやすい環境が違うでしょうから、一度見学や体験をしてみると良いでしょう。