グランエミシス

エミシスだより

グループホームの費用 ②

2020年11月09日

コラム記事

はじめに

グループホームを探しているけど費用に差があると感じている方や、さらに別の視点からグループホームを経営するにあたってどのぐらいの費用がかかるのかを知りたいという方などに、少しでも役立つ情報がないかを調べてみましたので参考になればと思います。

この記事では障がい者グループホームと認知症高齢者のグループホーム両方を取り上げています。

共同生活援助(障がい者グループホーム)

障がい者を対象としたグループホームの費用についてご説明します。

▽必要利用料

(1)グループホーム(共同生活援助)利用料

グループホームは障害者総合支援法の定める障害福祉サービスのうちの一つ「共同生活援助」にあたります。
障害福祉サービスを利用するには利用料の1割を利用者が負担するのですが、前年度の利用者本人とその配偶者の所得によって月額上限が決められており、利用料の1割が月額上限を超える場合でも、上限額以上の負担が発生しないようになっています。
この上限額は、世帯の収入状況等に応じて、4つに区分されています。

※ (注1) 3人世帯で障がい者基礎年金1級受給の場合、概ね300万円以下の収入の世帯が対象となります。
※ (注2) 概ね600万円以下の収入の世帯が対象となります。
※ (注3) 入所施設利用者(20歳以上)と、グループホーム利用者の場合は、課税世帯であれば「一般2」の区分になります。

この場合の世帯は「障がい者本人とその配偶者」(18歳未満の場合は保護者の属する住民基本台帳の世帯)を示すので、多くの人は無料もしくは低料金で利用できるようになっています。

(2)グループホーム(共同生活援助)利用中の食材料費・家賃・光熱水費

食材料費・家賃・光熱水費は入所施設と違って上限設定がありません。
ホームによって料金はまちまちですが、年金の範囲内で生活できることを意識した料金設定をしているホームが多いです。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

認知症の高齢者を対象としたグループホームです。こちらのグループホームでは、初期費用と月額費用がかかります。
初期費用は保証金や入居金などの名目で0円~100万円程度となります。
月額費用はおおよそ15万円~20万円程度で、内訳として家賃や管理費などの居住費、食費、介護サービス費などが挙げられます。

▽入居一時金

相場は数万~20万円ほどですが、入居一時金がかからない施設も多くあります。
一方で、高いところだと100万円前後かかるケースもあります。
全国の平均値は8.4万円です。

▽月々にかかる費用

月々にかかる費用は、介護保険料+日常生活費です。

 

日常生活費の相場

 

グループホームのサービス加算について

グループホームでは、看取りへの対応や職員の人数を増やした手厚い介護体制などにより、さまざまな加算処置がとられ、利用者にサービス加算※として負担がかかっています。
※→サービス加算とは
介護保険施設やグループホームにおいて認知症介護で一定の経験を持つ者で、国や自治体が行っている認知症介護指導者研修の修了者である専門の者が介護サービスを行うことに対して評価をするものです。

認知症対応型グループホームに費用の差がある理由

安くて手厚い介護をしてくれる施設はなかなかありません。
それなりのレベルの施設を望めば、それなりの費用が必要です。

  1. 土地代
    土地のコストの問題です。
    例を挙げてみると、神戸市にするか岐阜県土岐市にするかでは、月額の費用負担がだいたい5万円違うことから土岐市を選択されるケースもあります。
    都心で部屋を借りるのか?地方で部屋を借りるのか?の違いが家賃費用に出てきます。
  2. 現場職員の給与
    それなりの介護経験があるスタッフの給与は当然高くなります。
    経営者側が質のいいサービスを手厚く提供しようとすれば、間違いなく給与負担は重くなります。
    ですから、値段の安さを売りにするグループホームの職員の質は見極めなくてはなりません。

認知症対応型共同生活介護の開設にかかる費用

賃貸物件を改修すると、最大定員9名の小規模の施設でおおよそ1000万円前後と言われています。新築する場合、億単位の費用が必要となるので注意してください。

以下は設備費(賃貸物件の改修、什器類の購入)、人件費、指定申請に掛かる費用などを含みます。

  • 物件確保代 100万円~400万円
    物件の規模、立地、地域、仲介料によって大きく変動します。敷金は、地域によりますが家賃の2~6か月分ほどかかります。
  • 内装工事費 200万円~500万円
    トイレやお風呂が広い、階段や段差が少ないなど、なるべく工事の必要がない物件を選ぶことで、少しでも費用を抑えましょう。
  • 備品購入代 50万円~150万円
    ベッドや予備の車いす、事務用品、消耗品などが必要になります。
  • 人材採用費 0万円~100万円
    もし介護関係の人脈があれば、お金をかけずに人材を集めることができます。
    見つからない時は、ハローワークや民間の人材紹介会社などを活用して探しましょう。ハローワークは人材募集費用がかかりません。
  • その他費用
    登記や書類の作成の際を専門家に委託する場合、20万円から50万円ほどかかります。

まとめ

費用はだいたいのものです。ケースバイケースがあると考えてください。
利用したい、または運営したいグループホームの土地のコストなども調べるとよいです。
これらの情報が、現在グループホームについて前向きに検討されている方々にとって少しでもお役に立てればと思います。