グランエミシス

エミシスだより

グループホームの種類

2020年05月26日

コラム記事

はじめに

グループホームと一口に言っても、障がい者が利用するものや、高齢者が利用するものがあります。

 

 

共同生活援助(グループホーム)

障がいのある人が、生活に必要な介護や支援を受けながら少人数で共同生活を送る住居のことです。

入居者に対し、入浴、食事などの介護や相談、その他の生活するうえで必要な支援を提供する障害福祉サービスのことを「共同生活援助」といい、この共同生活援助のことを指してグループホームと呼びます。

 

入居条件の違い

障害者総合支援法が定義する「障がい者」に該当する人です。
知的障がいの方や、精神障がいのある方の利用が多いとされています。

「身体障がい者」の場合は、65歳未満の方、または、65歳に達する前日までに障害福祉サービスやこれに準ずるサービスを利用したことがある方が利用できます。

障害者グループホームは自立を目指す福祉施設ですので、支援やサポートがあれば自分で生活を送ることができる人が対象になります。

具体的な利用者のイメージ

  • 単身での生活は不安があるため、一定の支援を受けながら、地域の中で暮らしたい。
  • 病院を退院、または、施設を退所して、地域生活へ移行したいが、いきなりの単身生活には不安がある。
  • 一定の介護が必要であるが、施設ではなく、地域の中で暮らしたい。
  • 知的障がい者
  • 身体障がい者
  • 精神障がい者
  • 難病患者

それぞれの障がい者グループホームによって、対象となる障がいは異なります。
障害者手帳に加えて、障害支援区分の1~6に認定されていることも条件となります。

重度心身障がい者の方の場合は利用する施設限られており、日中活動サービス支援型グループホームになります。

それぞれの障害者グループホームによって、対象となる障がいは異なりますので、ケアマネージャーや市区町村の相談員に問い合わせして、対象の障がいに含まれているかを確認しておくことが大切です。

 

内容

グループホームには、新築の場合は2人~10人、既存の建物の場合は2人~20人まで入居できます。

利用者の個室のほかにも、リビングや浴室、ダイニングなど共同の空間があり、プライバシーを確保しつつ他の利用者やスタッフと交流することで、他者とつながりながら日常生活を送ることができます。

食事の提供または食事づくりのサポート、健康管理や金銭管理、トラブル対応や相談事へのアドバイスなどといったスタッフのサポートを受けられます。時には利用者同士が交流できるイベントも企画されます。

 

受けられるサービスの違い

  • 介護サービス包括型
    主に介護が必要な人のためのグループホームで、生活支援員や世話人が食事や入浴、排せつなどの介護サービスを提供します。
  • 外部サービス利用型
    主に夜間や休日に相談や家事といった生活に必要な援助を提供します。また、入浴などの介護は外部の介護事業者が行います。
  • 日中活動サービス支援型
    主に高齢であったり障がいが重い方が利用するグループホームで、24時間の支援体制と短期入所施設の併設によって、生活に必要な支援や相談、介護など幅広いサービスを提供します。

 

スタッフの違い

グループホームの業務全体の管理を行う「管理者」と、入居者の個別支援計画の作成などを行う「サービス管理責任者」がいます。

また家事や健康管理、金銭管理など日常のサポートを行う「世話人」、生活相談や入浴などをサポートする「生活支援員」がいるグループホームもあります。

 

費用の違い

月額費用は家賃・光熱費・食費など合計月6万~8万円ほどで、月額1万円の家賃補助を受けることで家賃を抑えることができます。

所得の状態によっては障害福祉サービス利用料もかかります。

年収       負担上限額
~300万の方        0円
300万~の方      37200円

 

入居期限の違い

原則として入居期限は設けられていませんが、利用期限があるグループホームもあり、継続して住みたいときは更新が可能な場合もあります。
自治体によっては、精神障がいの方を対象とするグループホームが、入居期間の制限がない「滞在型」と、一人暮らしへの移行の場と位置づけられ原則として3年間を利用期限とする「通過型」の2種類に分かれている場合があります。

 

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

介護保険制度にも、認知症の高齢者を対象とした「グループホーム」があります。

(老人福祉法第5条の26項)

 

入居条件の違い

認知症グループホームは介護保険制度の「認知症対応型共同生活介護」のことであり、認知症の高齢者を共同住居の形態でケアしています。5人から9人の入居者を1ユニットとし、1つの施設で最大2ユニットが生活します。
グループホームに入居するには、65歳以上、要支援2または要介護1以上の認知症患者である必要があります。
また、地域密着型サービスであるため、施設と同じ地域に住居と住民票があることが条件です。

 

内容

認知症グループホームでは認知症の方を尊重し、ご本人の残された能力を活かしながら生活できるような環境を提供し、毎日楽しく生き生きと生活することができるように支援しています。

アットホームな空間で食事の準備・掃除・洗濯など日常の家事をスタッフと共に行うことで、認知症の症状を緩和し、ご本人の希望する穏やかな生活を送ることができます。

 

受けられるサービスの違い

介護サービス(食事、入浴、排泄などの介助、機能訓練、通院の付き添い、安否確認、緊急時対応など)、食事サービス、生活支援サービス(居室の掃除・洗濯・買い物など)、アクティビティ(イベントの実施、趣味や体操など)、近隣医療機関との提携など。

 

スタッフの違い

3年以上の認知症介護経験をがある専従・常勤の者1名を管理者とし、さらに介護計画の作成担当者(1名以上はケアマネジャー)の配置が義務付けられています。管理者が介護計画の作成担当者を兼務することも可能です。
介護スタッフは、常勤換算して利用者3名に対し1名以上の配置が必要(24時間常駐、夜間は常時1名以上)です。
医療・看護スタッフの配置は義務ではありませんが、需要が高いこともあり、配置しているグループホームもあります。
そのほか、施設の代表者は、施設従業者かホームヘルパー3年以上の経験者、もしくは保健医療福祉サービス事業の経営経験のあることが求められます。

 

費用の違い

初期費用は保証金や入居金などの名目で 0~100万円程度となります。
月額費用はおおよそ15万円~20万円程度で、内訳として家賃や管理費などの居住費、食費、介護サービス費などが挙げられます。

 

入居期限の違い

介護が必要になっても、施設を変わることなく、住み続けることができます。
ただし、症状が悪化して集団生活ができなくなると退去しなければならなくなることがあります。

 

まとめ

このように、障がい者にとっても高齢者にとっても、利用の仕方や制度的には多少の違いはありますが、目指すところはどちらも同じで、それぞれ利用する方がより自分らしく、できるだけ自由に、自立して生きられるように手助けすることです。
グループホームの目指す考えの根底には、ひとりの人間としての尊厳が守られることがあるのです。