グランエミシス

エミシスだより

グループホームの世話人とは

2020年11月19日

コラム記事

はじめに

グループホームで働く「世話人」とは、どのような人のことを言うのでしょうか?
また、どのような仕事内容なのか、さらに給料はいくらぐらいか等、いろいろ取り上げてみました。

世話人とは

まず、障がい者グループホームで利用者のサポートを行うスタッフに「サービス管理責任者」と「世話人」がいます。
その中でも、利用者の日常生活面のサポートや支援を行っていく人を「世話人」と言います。
障害者総合支援法により、グループホームを経営するにあたって必要となる人員配置基準に指定されています。

世話人は介護サービス包括型グループホーム、外部サービス利用型グループホーム、サテライト型住居の3つのグループホーム全てに配置されており、それぞれの施設に必ず配置しなければなりません。
入居者6人までは1人配置することになっています。

介助を必要とする入居者がいないホームでは、いわゆる「ワンオペ」※が可能となります。
専門知識や医療的なケアなどがなくても、安心して働くことができます。
(※ワンオペとは1人の従業員にすべての作業を任せること)

掃除や洗濯や食事作りなどの家事支援、日常生活の相談業務がメインのため、自立度が高いグループホームでは「ワンオペ」で運営している所が多いです。

世話人は、利用者が必要とする総合的なサポートを行います。
日常生活で不自由に感じる入浴や排せつ、食事の介助といったサポートから、一緒にコミュニケーションを取る、利用者の相談相手になるなど、心身ともにサポートを行っており、利用者の心に寄り添い支えになります。

金銭管理、支援日誌なども仕事の1つです。
介護業界とはちがって、肉体的負担があまりありません。

世話人になるには

世話人として働くには、利用者の障がいについて知識があり、家事全般を行える人が望ましいです。
自分の意思を伝えることが難しい方の思いを汲み取る洞察力や、何を求めているか気づく観察力があり、障がいがある方への迅速な対応ができるとより良いでしょう。
世話人の場合はサービス管理責任者とは違い資格は必要なく、無資格でも障がい者グループホームで働くことができます。

しかし、障がい者グループホームで働くとなると、障がいに対しての基本的な知識や理解が必要となります。
現在はヘルパーなどの介護関連の資格を持っている方が優遇される傾向にあります。

グループホームでの暮らしは、世話人と利用者の関係が、密室的・閉鎖的に陥りやすい傾向があると言われます。

支援に対しての想いが強いほど、お互いに求めるものとのギャップが生じやすく、時として人権侵害にあたるような食事や生活の制限や暴言・暴力などが行われる可能性が高くなると言われています。
世話人は「人権の尊重」という倫理観を常に意識し、利用者の障がいの特性や考え方を深く理解し、障がい者を支援していく者としての基本的な考え方を十分に認識することが必要です。

世話人と生活支援員の違い

「介護」や「介助」を行うか、行わないかの違いがあります。

世話人のタイムスケジュールの例

 

給与

[給与事例]

1. 勤務場所・・・・・知的障がい者グループホーム
2. 勤務年数・・・・・3ヶ月
3. 契約社員
4. 夜勤数・・・・・・月18日
5. 勤務時間・・・・・15:30~翌日9:00
6. 給与明細・・・・・基本給17万、世話人手当3万、交通費、時間外手当、手取りで20万弱

正社員だと月給16~25万円
パート・アルバイトは時給980円~1,100円が相場

大変なこと

 

・精神障がいを持つ方が多いので世話人の何気ない一言で悩ませてしまうこともあります。
・世話人がどこまで利用者に介入していいか最初はわからないかもしれません。
・勤務時間とプライベートな時間との区別がつきにくいところがあります。

問題点

▽拘束時間の長さ

事業所の規模にもよりますが1回の勤務で16時間から最大で48時間。
なぜこんなに超過勤務ができるかというと、報酬単価が低いからです。
「夜勤」よりも「宿直」で対応せざるを得ない状況にあります。

☆夜勤と宿直の違い

・夜勤とは、法定労働時間内で夜間に勤務することを言います。
・宿直とは通常ほとんど労働する必要のない勤務、例えば見回り・非常事態に備えて待機している労働のことを言います。

まとめ

利用者ひとりひとりに配慮しながら関わらないといけないので大変な仕事ですが、逆に言えばやりがいを感じられるかと思います。

障がい者グループホームは障がいのある方が自立や社会生活を目指し共同生活を行う場所なので、成長する姿を見ることができるなど、様々な発見があるはずです。
世話人の仕事に興味を持たれたら気になるグループホームに連絡してみましょう。