グランエミシス

エミシスだより

グループホームの家賃補助

2020年07月27日

コラム記事

はじめに

グループホームを利用しようと思い調べた時、家賃がどの程度の金額になるのか?
また何か補助してくれる制度はないのだろうか?と疑問が生じるかもしれません。
ここではそんな方のために家賃や家賃補助について掘り下げて書いていきます。

 

グループホームの家賃はいくらぐらいか

障害者グループホームの一般的な家賃はだいたい2万~4万円程度になります。

地域によって金額に差があります。

 

補助金はいくら出るのか

グループホーム(重度障害者等包括支援の一環として提供される場合を含む)の利用者(生活保護又は低所得の世帯)が負担する家賃を対象として国からの補助が受けられます。

利用者1人当たり月額1万円を上限に補足給付が行われます。

補足給付額

家賃が1万円未満の場合=実費
家賃が1万円以上の場合=1万円

※光熱水費、日用品費、その他の日常生活費など家賃以外の費用については対象ではありません。

この家賃を補助する制度を「特定障害者給付(補足給付)」といいます。

障害者総合支援法という法律で定められています。

 

特定障害者給付について

 

□対象者

年齢に関係なく、生活保護受給世帯や市町村民税非課税世帯の障がいのある人が補助の対象です。

障がいによってもらっている障害者手帳や、障害年金の等級によって補助金が左右されることはありません。

□対象地域

障害者総合支援法によって定められた補助金ですから、すべての自治体で行われています。

□申し込み方法

利用される人やご家族が市区町村の窓口で、必要な書類に記入し、証明書を用意して申し込みを行います。

□支給方法

利用されるグループホームが代理で受け取る形になります。利用される個人には直接支給はされません。

□注意点

年1回負担上限月額の見直しと一緒に、補助金の対象者か否かの確認が市区町村によって行われますので、一度決定されたからといって毎年補助金の対象になるかはわかりません。
更新は1年ごとになります。

また、家賃の改定があったなど申請内容に対して変更が起こった場合は、再度申請が必要になります。

□補足

下市町村民税非課税世帯または生活保護受給世帯など一定の所得以下の方を対象に、自治体による独自のグループホーム家賃助成制度がある場合もあります。

国による家賃補助と併用できるので、利用できる地域の方は使ってみるといいでしょう。

 

自治体による独自の家賃助成の例1

東京都立川市の場合

障害者グループホーム等を利用している方からの申請により、一定の収入要件を満たした場合に、その収入によって家賃助成額を決定します。

なお、障害者総合支援法に基づく特定障害者特別給付費(補足給付)を受けられる方は、下記の表の区分による家賃助成額からその額を差し引いて助成します。

利用者の所得額                  家賃助成額

区分1 月額 73,000円未満          全額 ただし、月額24,000円を限度にする

区分2 月額 73,000円以上97,000円未満    半額 ただし、月額12,000円を限度にする

 

自治体による独自の家賃助成の例2

兵庫県神戸市の場合

2007年4月より、グループホーム利用者が負担する家賃の一部を助成することにより利用者の負担軽減を図る事業を実施しています。

 

軽減事業の対象者

1)障害者総合支援法第19条第1項の支給決定障がい者のうち、共同生活援助の支給決定を受けていること。

2)現にグループホームに入居していること

3)援護の実施者が神戸市であること

4)利用者負担に係る所得階層が低所得1又は低所得2であること

5)利用者が支払う家賃月額が「10,000円超」であること

※家賃月額10,000円以下の部分についての助成は、特定障害者特別給付費(以下、「補足給付」という)により支給されます。

 

助成金額

助成金(月額)=(当該利用者が支払う家賃月額-10,000円)×2分の1(1円未満切捨て)

※ただし、15,000円が助成金額の上限となります。

 

まとめ

グループホームに入居するにあたって、家賃補助があるのは経済的にも安心かもしれません。経済的な不安は少しでも解消された方が心にゆとりが持てるかと思います。
新しくなった制度や貰える給付額などを下調べし、安心してグループホームに入居しましょう。

 

— 補足 —

このような制度ができた背景

 

障害者総合支援法が施行されるまでには、障がいのある人が利用する福祉サービスの利用方法や負担額の決定方法を改正・改善してきた歴史があります。

2003年3月まで、障がいのある人が利用する福祉サービスの利用内容や利用できる量はすべて行政(都道府県や市区町村)が決定していました。

これを措置制度といいます。しかし障がいのある人の暮らしぶりを何から何まで行政が決定する仕組みには批判も多くありました。

2000年には、高齢者が利用する福祉サービスについては原則として措置制度をやめて「介護保険制度」へ移行したことも受けて、支援費制度が導入されました。

これは市区町村から福祉サービスの支給決定を受けた障がいのある人が、サービスを提供する事業所を選択し、事業所との契約によって福祉サービスを利用する仕組み(利用契約制度)を取り入れており、とても画期的なものでした。

しかし、支援費制度の導入によりサービスの利用者が増加したこともあり、財源の確保が困難になったほか、地域ごとのサービス提供格差や障害種別(身体障害、知的障害、精神障害)間の格差が生じる問題が発生しました。
(支援費制度は精神障害が対象外でした。)
これらの問題を解決するために、2005年11月に「障害者自立支援法」が公布されました。

しかし法律の基本理念の規定がないことや、サービスの必要性を図る基準(障害程度区分)が障害特性を十分に反映していないなど、施行当初から問題が指摘されていました。

特にそれまでは障害年金が収入の中心であれば自己負担なしだったところ、自立支援法では、サービス利用者に原則として1割の自己負担を設定しました。

そのため、収入よりも自己負担額の方が多くなる人も出てしまい、サービスの利用を減らしたり控えたりするケースも発生しました。

そこで2010年には自立支援法を改正し、1割の自己負担額を改め、以前のように利用者の収入に見合った自己負担(障害年金が収入の中心であれば自己負担なし)の設定となりました。

その中でグループホームの入居者の家賃を一部補助するために「特定障害者給付」が制度化されました。

そして、その後2013年には、「共生社会の実現」や「可能な限り身近な地域で必要な支援を受けられる」といった法の基本理念を定め、福祉サービスを利用できる障がい者の範囲を見直して、難病がある方も対象にするなどの改正が行われ、現在の「障害者総合支援法」が成立したのです。

なお、障害者総合支援法については、法の施行後3年が経過した時点で内容を見直すことになっており、

2016年にさらなる法改正がなされ、改正された障害者総合支援法は2018年4月から施行されました。